「25の練習曲集」（すなおな心、アラベスク、貴婦人の乗馬）などでピアノ学習者に人気の作曲家、フリードリヒ・ブルクミュラー（1806~1874）が今年没後150年のメモリアルイヤーを迎えます。
　各練習曲（25、18、12）はピアノ教則本コーナーに各社揃えていますが、書籍や変わり種楽譜は特設コーナーにて展開中です。主なタイトルは、

　・ブルクミュラー25の不思議　　音楽之友社
　ブルクミュラーの生涯、家族、作品（タイトルの謎）、日本への伝来などについて詳しく書かれています。十字屋が協力しているブルクミュラーコンテストについても紹介されています。

　　・ポイントがひと目でわかる！ブルクミュラー25の練習曲　　音楽之友社
　25曲それぞれのアナリーゼ、レッスンのポイントを解説。それをもとにして、あらゆる曲に応用できます。同じ著者による「ふたりのブルクミュラー25の練習曲 連弾伴奏集」に対応してアンサンブルにも取り組めます。

　　・ブルクミュラー レッスン10分ドリル　　ヤマハミュージック
　25の練習曲から８曲を選んで、それぞれの曲についての楽典やソルフェージュで楽しく音楽の基礎が学べます。

　　・弾きたい！ポピュラーピアノ　ブルクミュラー ミーツ ポップス！　　カワイ出版
　25の練習曲がサンバ風、スウィング・ジャズ風、タンゴ風にポップス・アレンジ。各曲についているQRコードで参考演奏が試聴できます。

　　・発表会にいけるいける　ほぼブルグミ　　共同音楽出版社
　脱力系のイラストでおなじみピアチャ・ミュージック・メソッドの一冊。25の練習曲と併用して、同じレベルやレッスン・ポイントの名曲16曲を収載。いくつかの曲は、ブルグミュラー風にアレンジされています。３ページ目の発表会前日にしておく５項目は、参考になるの？ならないの？

　　・CD付き感動がいっぱい！音楽の伝記　　ナツメ社
　マンガとお話しによる５人の作曲家のドキドキ＆感動ストーリー。ショパン・モーツァルト・ベートーヴェン・チャイコフスキーとともに収載されています。
　ブルクミュラーの伝記漫画はこれのみです。

　　・ブルクミュラーで指揮法入門　　アルテスパブリッシング
　ブルクミュラー/25の練習曲をテキストにして指揮を身につける一冊。各曲の楽曲分析をして、指揮の実践に取り組めるユニークな教本です。

　ちなみに私の好きなブルクミュラー作品は、25の練習曲（正式なタイトルは「小さな手を広げるために作曲され運指が付けられた、やさしく段階的に進む25の練習曲集Op.100」）では 3.牧歌、10.やさしい花、20.タランテラ。18の性格的な練習曲Op.109では 15.風の精（シルフィード）。華麗で旋律的な12の練習曲Op.105は全ての曲です。12の練習曲の最後の曲を弾かないなんて人生損してますよ。
　そして25の練習曲 第21曲「天使の声」は高校・大学でピアノを弾く以外でも音楽を勉強する人には重要になる曲です。曲の終盤、30小節目３拍目からのpiu lento。最低音に♭（フラット）があるのか、ないのか、各出版社に注釈がありますが、なぜどちらの響きも成り立つのか、和声の勉強になる部分があります。