「沖縄交響歳時記」大友直人指揮 琉球交響楽団
2020年3月4日リリース
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「沖縄交響歳時記」大友直人指揮 琉球交響楽団 作曲:萩森英明
琉球交響楽団15年振りの新作をリリース!
沖縄の四季折々の風物、風景を詩情豊かに伝える交響組曲! 全楽章、本作のための書き下ろし新曲!
■琉球交響楽団について■
「才能豊かな若者の働き口がなく、沖縄県外に出て行く状況を変え、沖縄の演奏家が安心して活動できる土壌を整えたい」──
熱き思いを胸に、25年間在籍したNHK交響楽団を退団し沖縄に戻り、2001年、沖縄県立芸術大学の卒業生を中心に沖縄初のプロフェッショナル・オーケストラ、琉球交響楽団を発足させたのが、故(2013年没)祖堅方正氏。
長年の交流があった指揮者の大友直人氏にも自身の思いを伝え、琉球交響楽団の音楽監督(最初はミュージック・アドヴァイザー)としての就任を依頼しました。
「祖堅さんとは二人三脚でやってきました」と大友氏が語るように、祖堅氏の思いはいつも琉球交響楽団の活動の源泉にあり、それは祖堅氏亡きあとも変わらず、以来18年間プロのオーケストラとして活躍してきました。
琉球交響楽団には自治体からの公的支援がないことから、団員たちは手弁当でやりくりしてしてきました。その姿を見て「これほど純粋に情熱を傾け、苦悩する楽団はどこにもない」と、大友氏がその様子を語っています。
現在は、年2回の定期演奏会、小・中・高等学校での音楽鑑賞会の他、第三回、第四回世界のウチナーンチュ大会、沖縄本土復帰30周年、40周年における式典演奏など、政府や沖縄県からの依頼演奏も多数行っています。また、より身近に音楽を楽しんでもらうため、「0歳児からのコンサート」、「オーケストラで紡ぐ沖縄民話絵本の読み聞かせ」を2015年より開催しています。2017年には平成29年度全国共同制作プロジェクトプッチーニ歌劇「トスカ」沖縄公演において、管弦楽演奏を務め好評を博しました。現在楽団員は34名。
■今作について■
2005年4月6日リリースのファーストアルバム「琉球交響楽団」(地方オーケストラのアルバムとしては異例の4,900枚のセールスを記録しています)に続く新作は、全楽章本作のための書き下ろし新曲で構成されてます。
コンゼプトは「沖縄の四季」。沖縄には豊かな四季折々の行事、風習、風物があり、また琉球王朝時代から脈々と受け継がれた独自の文化が色濃く残っています。
今回収録された全6楽章の交響組曲には、四季の風景が詩情豊かに織り込まれて
います。
作曲は萩森英明氏。
今作はまさに沖縄のオーケストラにしか作り得ない作品であり、また全曲その
土地の風習、風物をモチーフにした楽曲だけで構成された作品のリリースは、
日本のオーケストラではほとんど類がないといえます。
録音時の楽器編成では、沖縄の伝統楽器である三板(さんば)や島太鼓を取り入
れ、独自のアンサンブルを構築しました。
今作の録音に際し大友氏は「沖縄のオーケストラとして沖縄ならではのオリジナ
ル曲を創り出し、看板にしていくことが大事だ」と述べています。
■収録曲について■
① 第1楽章「新年」
琉球開闢(かいびゃく)神話と新年の風景を伝えます。沖縄県民に最も親しまれている琉球古典音楽の代表曲であり、首里城でも数限りなく演奏されてきた、祝賀曲「かぎやで風」のメロディーを展開させています。楽章の後半では、正月の祝い納めとして、旧正月二十日(2019年は2月24日)に那覇の辻町一帯で行われる、「ジュリ馬行列祭り」の際に演奏される「馬舞者」(うまめーさー)のメロディーを織り込みながら、賑やかに終わります。
② 第2楽章「春」
旧暦の三月三日の春の大潮の日に、浜に出て遊び、同時に潮で身を清める女性たちの行事「浜下り」がテーマになっています。この楽章では、カチャーシー曲として馴染み深い「谷茶前」のメロディーを展開させ、女性たちが浜辺で楽しく遊ぶ様子を伝えます。春らしい軽やかな曲調です。
③ 第3楽章「夏」
夏の風物詩といえば、沖縄の盆踊りともいえる「エイサー」。エイサーを踊る際に演奏される沖縄民謡の「仲順流り」、「久高」そしてフィナーレは「唐船ドーイ」を賑やかにフィーチャーした、まさに心踊る楽章です。
④ 第4楽章「秋」
秋の十五夜のお月見を歌い込んだ沖縄民謡の「サーサー節」。旧暦の9月7日に行われる97歳の長寿の祝い、「カジマヤ(風車)」のことを歌い込んだ沖縄民謡「花ぬ風車」のメロディーを展開させています。秋らしい静かな曲調の楽章です。
⑤ 第5楽章「冬」
1年の平安を感謝して祈ります。この楽章では、第1~第4楽章で出てきたメロディーが再度登場します。楽章の最後には「かぎやで風」のメロディーを織り込み、また沖縄のわらべ歌「てぃんさぐぬ花」のメロディーが展開されます。「てぃんさぐぬ花」の歌詞に込められたメッセージと、「かぎやで風」の歌詞“今日の嬉しさを何にたとえようか。まるで蕾んでいる花が露を受けて花開いたようなものだ”に込められた思いに心寄せながら、1年が終わります。
⑥ 第6楽章「カチャーシー」
辛い時も嬉しい時も、カチャーシーを踊って福を招き入れましょう。We are the world、性別、年齢、国境を越えて全ての人とカチャーシーを踊りましょう!
「アッチャメー小」「多幸山」そして「唐船ドーイ」、カチャーシーを踊る際に演奏される沖縄民謡のメロディーと、楽章の最後には再び「かぎやで風」を展開させています。
■作曲家・萩森英明氏プロフィール
1981年東京都生まれ。作編曲家。5歳よりピアノを始め、14歳より作曲を学ぶ。
東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。同大学で作曲を佐藤眞、福士則夫の各氏に師事。
作品はこれまでに東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団、
琉球交響楽団、ヴォクスマーナ、アンサンブル・ボワ、などによって演奏されている。
また編曲家としての活動も多く、これまでに日本の主要なプロオーケストラの為に数百曲以上のスコアを書くほか、
テレビ朝日「題名のない音楽会」、テレビ東京「100年の音楽」、NHK「SONGS」などの音楽番組での編曲など、
様々な分野で活動している。日本作編曲家協会会員。洗足学園音楽大学非常勤講師。
■大友直人氏プロフィール
1958年東京生まれ。桐朋学園大学を卒業。指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、岡部守弘各氏に師事した。タングルウッド音楽祭において、A.プレヴィン、L.バーンスタイン、I.マルケヴィッチからも指導を受ける。桐朋学園大学在学中からNHK交響楽団の指揮研究員となり、22歳で楽団推薦により同団を指揮してデビュー。以来、国内の主要オーケストラに定期的に客演するほか、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団指揮者、東京交響楽団常任指揮者、京都市交響楽団常任指揮者兼アーティスティック・アドバイザー、群馬交響楽団音楽監督を経て、現在、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団音楽監督。また、2004年から8年間にわたり、東京文化会館の初代音楽監督を務めた。
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立ロレーヌ管弦楽団、カンヌ管弦楽団、トスカーナ管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ルーマニア放送管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、インディアナポリス交響楽団、コロラド交響楽団、ハワイ交響楽団等と共演。東京交響楽団とは20年にわたり大友直人プロデュース東京芸術劇場シリーズを展開した。
■レコーディングデーター
2019年8月8日、9日に沖縄県南城市シュガーホールにて録音
録音、ミックス:伊豫部富治
マスタリング:田中三一(スタジオアトリオ)
アルバム発売コンサート
2020年4月3日(金)
東京サントリーホール公演壮行コンサート
沖縄・浦添市
アイム・ユニバースてだこホール
2020年4月6日(月)
琉球交響楽団創立20周年記念コンサート
東京・サントリーホール
18:15開場、19:00開演
客演:辻井伸行(ピアノ)
RES-323
2019年8月沖縄県南城市シュガーホールにて録音|アルバム、曲解説付き|アルバム収録時間 48:08
リスペクトレコード
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