• CD・DVDメールマガジン
  • 三条本店左カラムバナー
  • スタジオ・練習室レンタル
  • 楽器修理
  • 楽器_買取・下取り
  • 京都ピアノコンクール情報
  • 法人窓口
  • スタインウェイ正規ディーラーバナー
  • ベーゼンドルファー正規ディーラー
  • 鍵盤楽器公正取引協議会
  • 京都サンガバナー
  • ブラスジャンボリーinKYOTO リンク
  • 採用情報バナー(経営管理部)

お知らせ詳細

シューベルト 3つの連弾曲

スタッフTKのオススメクラシック 2018.5.25 Vol.5

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 今回紹介する作品、3曲セットではないのですが、いずれもシューベルトが亡くなった年、1828年に作曲された連弾曲の重要なレパートリーとなっている曲です。実はシューベルトの最初の作品は歌曲ではなく連弾曲(幻想曲 ト長調 D.1 1811年作曲)なのです(歌曲も同じ年に4曲作曲していますが…)。つまり連弾曲も歌曲同様シューベルトの短い生涯に渡って作曲されたジャンルと言えます。それではそれぞれの曲紹介を。

・幻想曲 ヘ短調 D.940(Op.103)
 シューベルトの連弾曲のみならず、すべての作曲家の連弾曲の中でも、最も重要な作品として位置づけられている曲です。1曲の連弾曲としては長めの約20分程の作品で、冒頭の気だるい雰囲気のヘ短調の部分、突然半音高い嬰ヘ短調に転調して緊張感あふれる音楽が展開するLargoの部分、そして中間部 カノン風の進行が特徴的な疾走感に充ちたAllegro vivace、冒頭のメロディーが短く再現された後、怒涛の展開を見せるフーガ(!!)、クライマックスはフーガが頂点に達した所で突然中断され、みたび冒頭のメロディーが流れたあと、さびしく曲が終わります。

・アレグロ イ短調「人生の嵐」D.947(Op.144)
 ソナタ形式で書かれたこの連弾曲は、まさにタイトル通りな、運命に翻弄されるかのような荒々しい第1主題、打って変わってとても静かな第2主題(提示部は変イ長調→ハ長調、再現部はヘ長調→イ長調と転調していきます)、そして運命に打ち克つようなとても力強い結尾部という構成ですが、最後は悲劇的な終わり方をします。

・ロンド イ長調 D.951(Op.107)

A B A C A B D A+コーダという構成のロンド形式。特にAの部分で16分音符のなめらかな動きで、ひたすら裏方に徹する内声部(セカンド・パートの右手)が特徴的な作品です。そしてその内声パートが最後の最後の最後にメロディーを奏でるところで号泣必至の感動的な曲です。

お勧めの演奏:ペライア&ルプー(幻想曲のみ)
        キーシン&レヴァイン(幻想曲、アレグロの2曲)
        デュオ・クロムランク(全3曲収録、現在生産中止)

2018.5.25 Vol.5