草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
今回は身近な音(鳥の声)を音楽にした作品をピアノ曲を中心に取り上げます。まずはピアノ学習者に必須な2曲。
・かっこう(ダカン)
・カッコーワルツ(ヨナーソン)
この2曲を聴いてすぐ気付くのが、ソ→ミ または ミ→ド などの三度下降する音形で、鳥の声を表していることです。他の作品でもこの音形が基本となっています。
・ピアノソナタ第25番ト長調 第1楽章(ベートーヴェン)
この楽章の展開部に三度下降の音形が使われていているため「かっこうソナタ」と呼ばれることもあります。他にもベートーヴェンでは交響曲第6番「田園」第2楽章の最後にフルート、オーボエ、クラリネットの木管三重奏で鳥の鳴き声を表している部分があります。
サン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」には鳥に関する曲が4つあり、そのうち第9曲「森の奥に棲むカッコウ」にクラリネットが奏する三度下降音形が使われています。
オーケストラ作品では他に
・春、初めてのカッコウを聞いて(ディーリアス)
という曲で、ここでもクラリネットが三度下降音形でカッコウの声を模しています。
また三度音程を使わずに鳥の鳴き声をイメージとして使った曲に
・予言の鳥(シューマン、森の情景 第7曲)があります。
この曲はとても神秘的な作品で、聴くときは真夜中に部屋を真っ暗にすると、より雰囲気が味わえると思います(曲の前半・後半に1回ずつあるトリルで、ゾッとします)。
ここまで鳥の鳴き声(カッコウ)=三度下降音形の曲を多く紹介しましたが、その後これが(ちょっとしたことですが)劇的に変わる曲が現れます。それが、
・交響曲第1番「巨人」第1楽章(マーラー)です。
この曲の静かに始まるゆっくりした冒頭部分で、ラ→ミ または レ→ラ という四度音程の下降形が、まったく違和感なく使われています。
そして現代音楽で鳥の鳴き声といえば、フランスの作曲家オリヴィエ・メシアンです。代表作「鳥のカタログ」他、多くの作品がありますが、ここでは比較的簡単で演奏時間も短い、
・「鳩」(8つの前奏曲 第1番)を紹介します。
この曲は演奏時間2分弱、たった23小節の中に、多くの鳥の鳴き声が聞こえてくる佳品です。オススメします。
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