第三回 サカイヨシキ (CHANIWA、Coquetish、SxTxExLxS)
「ベースとは人と自分を繋ぐコミュニケーションツール」
東京を中心に90年代から活動する、USスタイルハードコアパンクの老舗CHANIWA、同じく90年代から活動するスカパンク・ハードコアの雄Coquetish、CHANIWAのメンバーを中心としたモンスター覆面メタルコアバンドSxTxExLxS。どのバンドも一筋縄ではいかない個性的なバンド。その低音を支えるのは数々の名バンドで活動してきた歴戦の猛者、サカイヨシキさん。
フェイバリットに、
「Adam yauch(Beastie boys) ・Matt Freeman(Rancid,Operation Ivy) ・Taiji(X) ・Robert Trujillo(Metallica,Infectious Grooves,Suicidal Tendencies) ・Clifford Lee Burton(ex Metallica) ・Mike Dirnt(Green day) ・Flea(Red Hot Chili Peppers)・松井常松(BOØWY) 」
などを挙げるクロスオーバー・スタイルのベーシストである。
CHANIWAでは1974年製の
GIBSON RIPPER、Coquetishでは1976年製の
MUSICMAN STINGRAY 、SxTxExLxSでは80年代製
B.C Rich USA Warlockと、各バンドでメインベースを使い分けて使用している。各ベースのエピソードや改造点等を語ってもらった。
まずは74年製の
GIBSON RIPPER。
「自分と同じ歳の竿が1本でいいから欲しいなーと思っていたところで偶然こいつに出会い 迷わず購入。でも購入時はブリッジにナゼかJAZZ BASS用のが無理やりマウントされていて・・・。 弦高がどうやっても調整できずかなり苦労したね」
「オリジナルのパーツは入手が困難だったから、合うパーツを散々探し回った結果、今はIbanezのレスポールタイプのブリッジを取り付けてます。JAZZ BASSのブリッジが付いてたときは 弦はネックに当たりまくるわ、裏通しの穴は潰されてるわで最悪の状態だったけど ブリッジ修理後は信じられないくらい野太い音が出るようになって。ここでやっと買ってよかったと思えた(笑)」
「CHANIWAはツインギターだからか、なんかベースの音が埋もれてしまう感覚があって・・・。体感の問題かもしれないけど。だからなるべくパワーがあって野太い音がするものを選んでる。 自分の所有するベースの中ではRIPPERが一番それに該当するかなという感じです。 Gibsonのベースはとにかく音が太くFUZZとの相性もいいからサウンドやバンドのスタイルとして パワーやパンチが欲しい時はほぼこいつを選びます。ただ、 ボディバランスがあんまりよろしくなくて弾きにくいのがちょっと難点かな」
MUSICMAN STINGRAY。こちらも76年製のオールド・ベース。
「ベースを始める時、最初に出会ったのがこのベース。当初はギターがメインだったから、片手間で ちょっとBassも・・・、程度の軽いノリだったからベースは1本しか買わないだろうと思ってて。で、 楽器屋さんでそういう相談をしたら、じゃあ最高のやつを1本持っていたほうがいいよ!と、このベースを勧められてかなり高額だったんだけど購入。 それから20年以上経つけど結果としてこのベースが自分の中でメインを張ってる。あの時無理して買って良かったな~と、しみじみ思うね(笑)」
「アクティブということでパワーはそこまでないけどベースラインはキレイに出る。だからベースラインが重要なSKAやPUNKスタイルでプレイするときはこれをよく使います」
「Coquettishはパワーや低音を意識するよりもベースラインが重要だと思うのでこれがぴったりかなと。 さすがミュージックマンだけあってボディバランスやネックの感じも良くてとても弾きやすい。さらにオリジナルなので楽器好きな人にちょっと自慢できるところも好き(笑)難点はゴリゴリ小うるさい倍音のような音が出ることかな。聴く側はそんなでもないかもだけど弾いてるとうるせーなーと思うこともある」
最後は
B.C.Rich USA 80's Warlock。
「 完全に見た目重視(笑)。 Warlockの時点で鳴りとか音の良し悪しは期待してません。 ビジュアル的にパンチが欲しいときに使用します。今は主にSxTxExLxSで。 Warlockで、裏通しで、リバースヘッドで、スルーネック・・・、ということで自分の願望はすべて満たしています。 残念なのは購入したときにサーキット部分がすべて取っ払われてたので本当の意味でサウンドの個性は死んでいますが、TAIJIの魂を感じたいときはこのベースしかありません(笑)」
なお、ヨシキさんはこの3本のほかにも
ERNIE BALL MUSICMAN STINGRAY、
RICKENBACKER 4003を所有。
「この先は
Rickenbacker 4003をメインにしたいんだけど、かなりクセのある楽器でまだ使いこなせてない感じ。だから今はまだ個人で練習するときのみ使用しています」
弦は
DADARIOの045から始まる
EXL170、ピックは
ESPオニギリ型のハード。わりとオーソドックスな組み合わせだが、ピッキングの位置がPUNK系ベーシストにしては珍しくネック寄りのセンター付近。「ただのクセ」、とのことだが、ここらへんにもヨシキさんの音のうねりや太さのポイントがあるような気がする。
アンプは以前
Ampeg SVT-2PROを使用していたが現在はライブハウスのアンプを使用。
「音作りは基本フラットで中音をやや強め、低音をやや弱めに」
ケーブルは
MONSTER CABLE、パッチケーブルは
GEORGE L'S。エフェクトボードには
CAJ MULTIPLE LINE SELECTOR MLS-2、
BOSS CHROMATIC TUNER TU-2、
TECH21 SANS AMP BASS DRIVER DI、
EBS MULTI COMP、
DIGITECH BASS SYNTH WAHが並ぶ。今回の画像には写ってないが
ELECTRO-HARMONICX BIG MUFF Piも使用。
「サンズ、コンプは踏みっぱなし、サンズのドライブは3時くらいまで上げてあとはハコによって微調整。マフはCHANIWAでのみ使用。CHANIWAにはストーナーロックを意識した曲が結構あるから、ストーナー感を出したいというか、ブラックサバスの感じをベースで表現したいというか・・・。となるとやっぱFUZZなんだよね。実際のサバスはベースでFUZZ使ってないと思うんだけどね(笑) ベースシンセは今考えてる曲で使おうと思っていて、まだ表立って使ったことはない。今後どんどん実戦で使っていこうと思ってます」
冒頭に掲げたように、ヨシキさんにとってベースとは「人と自分を繋ぐコミュニーケーションのツール」でもある。20年以上もシーンの第一線に立ちバンドを続けるということは、バンド内、バンド周辺の人間関係や時間のやりくりなど、実はとても体力がいることだと思う。最後に人とのコミュニケーションのコツと、バンドに対するモチベーションを維持できる理由、そして時間の作り方を聞いてみた。
「人とのコミュニケーションは得意ではないですが、自分がこの人好きだなーと思ったら力一杯それを伝えるようにしてます(笑)逆に嫌いだったり興味ない人は視界にも入れない(笑)」
「モチベーションを維持できている理由は大きく2つあるような気がしています。1つはバンドをやりたいと初めて思った10代の頃、田舎にいたせいもあるけど、ずっとメンバーが揃わなくて活動が全然できず、めちゃくちゃ飢えていた時代を経たことかな。その時のコンプレックスが未だに大きくあるのかもしれない」
「2つ目は、そんな青春を過ごして来たけど今は幸せなことに、モチベーションが下がる暇がないほど、バンド活動を大事にしているメンバーに恵まれてることかなと思います。そんな環境にようやくたどり着けたのにバンドを辞めるなんて選択肢は自分には無いです。究極な言いかたすると、自分は『音楽』よりも『バンド』が好きなんで(笑) 。時間はどんな時もバンドの活動を最優先させるので無理して時間を作るという考え方はありません」
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未定