私が取り扱うことの多いクラブ機材について、語るというほどではないですが、聞かれる事の多いギターアンプの取り扱い注意点等について改めて記します。
今回は軽音系クラブ・サークルさんでは特に導入率の高いMarshallの真空管アンプでご説明します。
■電源のON、OFF
・電源ONの際は全てのツマミが下がっている事を確認し、電源スイッチを入れて1分以上待ちましょう。
「赤子泣いても蓋とるな」みたいなもので、アンプがいい音を出せるようになるのを、よだれでも拭いてゆっくり待ちましょう。
真空管が温まったらスタンバイスイッチを同じ方向へ押し解除してください。
・電源OFFの際はツマミを下げてからスタンバイスイッチを逆に押して1分待ってから電源OFFする。
ON、OFFの手順は以上の通りですが、アンプの構造だけを考えれば実は、イコライザーのツマミは下げる必要は無く、OFFの際にスタンバイを切ってから1分待つ必要も無く直ぐに電源もOFFにして大丈夫です。
では何故このようにいつもお客様にお伝えしているかというと、クラブ団体様だとギタリストが何十人もいて、数人に上記の必要の無い事をお伝えすると、いつの間にか伝言ゲームで「ツマミが上がったままON、OFFしていい」「スタンバイも電源も一緒に切って良い」と間違って伝わってしまう為です。
この間違い2つは、車が走りながらエンジンを切るようなもので、とても危険な操作です。
人生においてはルールよりも真実の方が大切な事が多いと思いますが、この点においてはルール優先で、決められた手順通りにしましょう。
■その他注意点
・ボリュームが上がった状態での電源のONOFFやシールドジャックの抜き挿しは、過電流による様々な部位の故障の原因となるので、これもとても危険です。
・電源ONにしてから、音を出す際最初はなるべく小さめの音量から始めてください、目安の時間は一曲分くらいです。
・ボリュームつまみは最大でも3時くらいまでにしておくのが、安全面だけでなく音質的にも良いです。無理に上げすぎる事はお勧めしません。
・長時間(2,3時間以上)使用した際は、一旦電源をOFFにして5~30分程休ませてあげてください。これ結構重要です。
出演組が多いライブの日は、真空管アンプを使用しないバンドをいい感じに挟めるよう出演順を工夫する手もあります。
・キャビネットとアンプを繋ぐケーブルは、決してスピーカーケーブルとシールドケーブルを間違えて使わないようにしましょう。出力トランスごと故障し発火の恐れもあります。
とここまで注意点を記してきましたが、世界的にはこのように取り扱いに注意するのは日本人位のようです。
物を大事にする日本人ならではのルールで大事にしていきたいですね。
(三条本店Stageスタッフ油井)