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ハーモニクスチューニングはずれている!?~ハーモニクスと平均律~【スタッフが語る】

スタッフが語る○○シリーズ

三条本店 stage|ギター・ベース・ドラム・デジタル楽器等

  • ハーモニクスチューニングはずれている!?~ハーモニクスと平均律~【スタッフが語る】(その1)
こんにちは、JEUGIA三条本店stageのミヤグチです。

本日の「スタッフが語る」テーマは、「ハーモニクスチューニングはずれている!?~ハーモニクスと平均律~」です。
ちょこっと難しいテーマなのでは?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
できるだけカンタンに、わかりやすくお話していきたいと思いますので、
お付き合い頂ければ幸いです。



まず、純正律平均律とはなにか
というところから始めさせて頂きます。

まずは、
純正律ですが、
もろもろ面倒な説明を全部省いて、
世界一綺麗なドレミファソラシドを鳴らそうと思うと、
その音程の比は、


24 : 27 : 30 : 32 : 36 : 40 : 45 : 48

とするのが、正しいと物理学的に証明されています。
これが純正律の考え方です。

より正確に言うと
ドミソ」「ファラド」「ソシレ

を、1ミリ(ヘルツ)の狂いもなく響かせようと計算すると
こうなるわけです。

しかし、純正律には大きな欠点があります。

あまりにも「ドミソ」にこだわったため、
レファラ」は犠牲になったということです。

こんなことをいうと、クラシック音楽の専門家の方には怒られてしまいますね。
レファラはそれが正しい、にごった響きの和音なのだからと。


そんな余談はおいても、
純正律にチューニングされた楽器では、
ひとつのキーの曲しか演奏できないので、
現代音楽でそのまま使うことはできません。

そこで使われているのが
平均律」です。



これは、その名前の通り、

ンマァ、そんな難しいことはおいといて、
全部均等に分ければイイじゃん!


そういう考え方です。
1オクターブを12の半音に分けるので
12平均律と呼ばれています。

便利ですね。
ドミソの響きは、少し劣るものの
便利で使いやすい音階といえます。

もちろん、皆さんが持っているギターも
平均的にフレットが配置されていますので、
平均律です。

これが、純正律平均律の違いです。
そこで気になるのは、
どのくらい違うんですか?
ということですよね。

実は、この二つの音階、

「ド」以外、すべて違うんです!!

(ギター的解りやすく言うと、解放弦のオクターブ以外全て違います)

これが、ハーモニクスに大きくかかわってきます。

「ハーモニクス」
の初回で説明させていただいたように、
ハーモニクスはとても物理学的な現象です。

そして、純正律こそ「物理的に」正しい音階だと
先ほど申し上げました。

そうです、ハーモニクスで出る音程は


実は「純正律」的な音程なのです!!!!!


なので、ギターを普通に弾くと平均律になり、ハーモニクスを出すと純正律になってしまいます。
ということは、そのハーモニクスはギターの(オクターブ以外)どのフレットの音とも合いません。

これが、ハーモニクスチューニングをすると
音程がずれてしまう理由です。

7フレットのハーモニクスは、5度上の音が出ますが、
それはフレットで出す音よりもほんの少し高いので、
これにチューニングをあわせると、解放弦の音は低くチューニングされてしまいます。

ハーモニクスでしたチューニングに違和感を感じていた方、
実はあなたはとっても素晴らしい音感を
お持ちなのかもしれませんね。

このずれを解決するために、
わざわざフレットを押さえてハーモニクスを出すといった方法も考えられるのですが、
だったら、素直に5フレットや4フレットを押さえて実音同士でチューニングすれば良いわけなので、
あまりお薦めはしていません。

さてさて、ハーモニクスの奥深い世界へと貴方を誘うはずだった
この語るシリーズですが、
今回はこんな結論で終わってみたいと思います。


「チューニングには、チューナーを使いましょう」

以上!
意外と知られていない、ハーモニクス・チューニングのお話でした。

ミヤグチ