第6回 GURE(HAWAIIAN6 Ba&Cho)
「ツアー先で必ずすることですか・・・。ホテルの部屋をとにかく加湿することと、入浴剤を入れてゆっくりお風呂に入ることですかね!(笑)」
全国規模のライブツアーを精力的に展開し、昨年行われたAIR JAM 2016にも出演した日本のメロディック・ハードコアパンク・バンドの代表格HAWAIIAN6。疾走感溢れる楽曲をダイナミックに演奏する様はまさに「ライブバンド」。OUR FAVORITE GEAR第6回はそんなHAWAIIAN6の低音部を支えるGUREさんの登場です。
現在メインとして使っているのは
ESP JAZZ BASS TYPE。
「現在dustboxのjojiさんから借り受けているベースで、ぶっちぎりのメインです。コントロール関係は潔くワンボリュームのみ!アッシュ材の中でも特に重いものを使っており、ブラスナットということもあってとても抜けがよくてコシのある音が出ますね。先日のレコーディング(SINGLE
“Burn”)はこの1本で弾いてます。このシングルでぜひこのベースの音を聴いてみてください!」
こちらはワンボリュームでフロント・リアのボリューム両方をコントロールしているとのこと。ピックアップの高さはリアの方がフロントよりも少し高め。ピックアップは
CL-P-J-1n/Bが搭載されている。
そしてサブとして控えるのは
EDWARDS E-AM-135AS/M改。
「これはHAWAIIAN6に加入する時に自分で買ったベースですね。現在はサブで待機しており、メインに何かあった時に登場します。こいつのおかげでいざというときでも安心(笑)。もともとJJ配列のアクティブでしたが、PJ配列のパッシブにしてあります。ローがとにかくよく出ます。Pタイプのピックアップのキャラがよく出ていて無骨な感じのイメージです。これは
『My Name Is Loneliness』のPVでも使ってますね」
どんなライブハウス、ホールでもいつもの音をキープする為にアンプも自分のものを持ち込む。ヘッドは
TC Electronic RH750、キャビネットは
TC Electronic RS410と
RS212。
「ヘッドは4kgしかなく超コンパクトなフォルムですが、見た目に反して恐ろしいほどにパワフルです。それに加えてキャラクター作りが多種多様。ハイファイな感じの音も、昔ながらのチューブアンプのような音もこれ1台で表現できます。各EQもよく効いてくれるし、僕はほぼ使ってないけど内蔵されているコンプの効きも非常に自然なので、かけたとしても原音の良さが活かせると思いますね」
「キャビネットは
10インチ4発(RS410)と
12インチ2発(RS212)の計6発です。とにかく音がまっすぐよく飛んでくれますね。キャビ本体に音の輪郭を設定できるツマミもついているので、会場によって異なる音抜けのレベルを補正したりもできます」
「スピーカーケーブル、電源ケーブル類は全て
オヤイデ電気のものを使っています。ケーブル系はあんまり詳しくないけど、それでも音の輪郭がハッキリし、パワフルになりました。ヘッドの下にはラックを入れてあります。
FURMANの
電源モジュールと
AVALONの
U5というDIが入ってます。
U5に関してはサウンドのキャラクター設定はしていません。送られてきた音をそのままPA卓に送るようにしてあります」
そしてパンクロックベーシストらしくピック弾きするその手元には
MASTER 8 JAPANのピック。こちらは
HAWAIIAN6 GURE SIGNATURE MODEL。
「エフェクターボードの写真右上部分にあるのが現在使っているピックです。僕は大のカープファンなので、うちのネコにカープ帽をかぶせてみました(笑)。INFINIXという新素材を使ったものでおにぎり型の0.8mmです。
弦に対してのタッチがすごくよくて、弦に当たって曲がったピックがまっすぐに戻るスピードがとにかく速いです。そしてピックを仕上げる時に行われる研磨を僕のはしていませんので、角や断面が丸くなっていません。
この研磨されていないピックで弾くと、ブライトな部分がついてきてくれるのでいつも研磨なしでお願いしています。サンドグリップの効きも非常にいいので滑りにくいのもポイントです。やっと欲しかったピックに出会えたという感じで、これ以外は使う気が起こりません」
確かにHAWAIIAN6のスピーディーな曲にこれ程しっくりくるピックは中々無いのではないだろうか。速いピッキングをする為にピックを硬くするのでは無く、戻りが速いピックを選ぶというアイデアは試す価値がありそう。
エフェクターボードには
CAJ IN and OUT、
tc electronic polytune2、
SANSAMP BASS DRIVER DI、
amptweaker TIGHT FUZZ、
NEUTRIK PowerCon、
one control Distroが並ぶ。ちなみに
パッチケーブルは
OYAIDE FORCE'77G、
DCケーブルは
OYAIDE DC-3398とのこと。
「まずはセッティングがすぐできるように
CAJの
ジャンクションボックスで入・出力をまとめています。
SANSの
BASS DRIVERはサブのベースを弾く時にだけかけっぱなしにしていて、音抜けのレベル差をメインとサブでなるべく無くすようにしています。ブレンドつまみをまわしきった、「いわゆるSANS!」みたいな音作りはしておらず、半々くらいのバランスにして、各EQで補正しています。ドライブはそんなにかけていません」
「ファズに関してはあくまで効果音としてスポットで踏んでいます。この
TIGHT FUZZ には原音とのブレンダーつまみがあるので、ロー感をしっかり残せた上でけっこう過激に歪ませることができますね」
「電源まわりは、
one controlとオヤイデの組み合わせでノイズも極めて少ない上、安定した供給体制となっています。僕は歪み系しか使っていないのですが、オヤイデの電源ケーブルに変えてからは音に元気が出て、歪みのノリもよくなりました。
one controlの
パワーサプライでまとめてからタップを経由して、
ノイトリックの
パワコンにいき、そこからアンプ側にある
FURMANの
電源モジュールへいって電源を確保します。不意なトラブルによって電源が抜けてしまったりするのを防ぐのとともに、電源まわりもなるべくひとまとめにしてシステムをなるべくシンプルにしています」
弦はライブ毎に交換する。そこにもGUREさんのこだわりが見え隠れする。
「ライブ前にベースを準備するときなんですが、ほこりを落とす順番、拭く順番、弦を変える時の手順、全てを同じ順番、同じ回数でやってます。これは、自分で順番通りやらないと気が済まないというただの我儘ですけど(笑)。
状況的に無理なとき以外は自分でやってます。僕が使用しているのは
ERNIE BALLオレンジのパッケージ、
HYBRID SLINKY BASSです。絶妙なテンション感ですごく弾きやすいですし、弾いたときにギラッと出てくれるブライトな部分が最高です」
ベースからエフェクター、エフェクターからアンプまでのケーブルにも当然こだわる。ベース~エフェクターボックス までは
OYAIDE QAC-222、エフェクターボックス~アンプ
OYAIDE NEO PA-02を使用。ここにもすぐライブで使えそうなアイデアが。
「以前は
PA-02で統一してたんですけど、少しケーブルが固くてライブ時の取り回しがあんまり良くなかったんですね。だからベースからのケーブルは柔らかい
QAC-222に変更しました。
PA-02はレコーディングの現場でも重宝されるケーブルで音域がグッと広がる感じがします。高い再生能力だからこそできる業だと思います。
QAC-222も非常にクリアで、僕は特にミドルで感じますが本当に弾いていて気持ちいいです」
影響を受けたベーシストを聞いてみた。
「影響を受けたというか好きなベーシストですが、THE YELLOW MONKEYのHEESEYさんです。ゴリっとした音、チューブアンプと合わさった時の独特のドライブ感、伸び、グルーヴィーなフレーズ、休符の使い方、とにかくすごいベーシストだと思います。ずっと聴いていたいくらいです」
これから使ってみたい機材にもその影響は表れている。
「ベース本体でいうと、いつか
GIBSON THUNDER BIRDのノンリバースが手に入ったら・・・すごくうれしいですね。HEESEYさんの代名詞でもありますし、あのフォルムと音はやっぱりいくつになっても憧れます」
「エフェクター関係だと、
SANSの
BASS DRIVERがこのたびリニューアルされたのですが(
BASS DRIVER DI ver.2)まだ試せていないのでどんなものかチェックしてみたいですね。ラックタイプにはあってコンパクトタイプにはなかったミドルツマミ、待ち焦がれたベーシストは実際多いと思います」
このVersionⅡとは、BASS用DIの大定番である
SANS AMP BASS DRIVER DIに BASS SHIFT 40/80HzとMID SHIFTスイッチが追加されたバージョン。このBASS SHIFTの切り替えで多弦ベースの低域にも対応できる。そしてMID SHIFTは力強いドライブ感を選択できるように設定することが可能となっている。
最後に自身のベース歴を振り返ってもらいながらGUREさんにとってベースとは何かを聞いてみた。
「ベースを始めるきっかけは中学生の頃。友達がバンドを組んだもののベースを弾く人がいなくて、ベースが何かすら分からない自分に「やってみて」と言ってきたことでした。言われて数日後にベースの初心者セットを買いに行きましたが、そのバンドは数回やって終わり(笑)。さらに高校生の頃は野球部がきつくて音楽どころではありませんでしたね(笑)。
そんな高校生活を終えて大学生の頃にライブハウスへ出入りするようになってから、いろんな人と繋がるようになるんですよ。この頃があったから、今HAWAIIAN6でベースを弾くことができています」
「大学を卒業するタイミングでバンドの世界からきれいさっぱり足を洗って会社員を長らくしていましたが、またこうやってバンドシーンに戻ってきて本当に素晴らしい景色を数多く見ることができています。叶えられないと思っていた大きな夢も叶えることができました。
僕がベースを持って立つ場所、ライブハウスがとにかく盛り上がって、お客さん、メンバー、スタッフみんなでたくさん汗かいてたくさん笑って、その日そこでしか見れない最高の景色をみんなで作っていければそれだけでいいんです。
それを実現できる本当に大事なもの、夢を叶えるために絶対必要なアイテム、それが僕にとってのベースだと思っています」
GURE
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YOU TUBE 『My Name Is Loneliness』
YOU TUBE 「Making of "Where The Light Remains"#5」
ライブ予定
4/22大船渡 KESEN ROCK FREAKS
4/23仙台 BIRDLAND
4/25秋田 SWINDLE
4/26酒田 MUSIC FACTRY
5/3 水戸 LIGHT HOUSE
5/4 千葉 LOOK
5/14 静岡 UMBER
5/21 松山 WstudioRED
5/23 岡山 CRAZYMAMA 2nd ROOM
5/24 福岡 Queblick
5/26 京都GATTACA
6/2 熊谷VJ-1
6/3 いわきSONIC
6/4 盛岡 the five morioka
6/9 横浜F.A.D
6/11 鈴鹿 ANSWER
6/13 八王子RIPS
6/14 名古屋 HUCK FINN
6/16 十三FANDANGO