真面目にふざけるベートーヴェン 「レオノーレ序曲第4番」
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草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
ベートーヴェンはその生涯で交響曲を9曲、ピアノソナタを32曲(以上)、弦楽四重奏曲を16曲、作曲しましたが、歌劇(オペラ)は1曲しかありません。ベートーヴェンは「フィデリオ」というタイトルのオペラ用序曲を4曲、作曲しました。最終的にオペラの序曲となった「フォデリオ」序曲、そしてその前に作曲された「レオノーレ」序曲第1~3番です…。
今回紹介する「レオノーレ序曲第4番」は、特に有名で単独でもよく演奏される「レオノーレ序曲第3番」を元にして、1950年代イギリスで始まったホフナング音楽祭の第3回公演で演奏されました。
このホフナング音楽祭とは“冗談音楽”というジャンルの演奏会で、真面目にふざける、例えば第1回公演では伝説のホルン奏者デニス・ブレインがホルンではなく水道用のゴムホース(!!)を使って協奏曲のアレグロ楽章を見事に吹ききったり、独奏ピアニストがグリーグを、オーケストラがチャイコフスキーのピアノ協奏曲をそれぞれ演奏し始めるが、お互いが全く譲らずに曲が進んでいく…という具合です。
さて「レオノーレ序曲第4番」ですが、この曲は原曲の聴きどころであるトランペットのファンファーレにスポットを当てた作品です(ネタバレ)。この曲を演奏しようと企画した演奏会の主催者が、ファンファーレを演奏するトランペットのエキストラを雇ったが、一人でいいのに手違いで当日、何人ものトランペット奏者が会場に集まってしまった。しかもこの曲を吹いたことがある者や、知っている者が誰一人としていなかったので、曲のいたるところでファンファーレを吹き始めてしまう。さらに本当に吹かないといけない所では、誰も演奏しないという原曲を知っていればとっても楽しめる曲です。残念ながら現在CDやDVDなどの音源は取扱いなしという状況ですが、一聴の価値はありですよ。
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