草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
今回紹介するのは第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」が超有名な、全6曲からなる連作交響詩です。
1. ヴィシェフラド(高い城)
2. ヴルタヴァ(モルダウ)
3. シャールカ
4. ボヘミアの森と草原から
5. ターボル
6. ブラニーク(1,2,4曲が自然を、3,5,6曲がチェコの歴史を音楽で表現)
各曲10~15分程で、多くの演奏がCD1枚に収まるので、ぜひ全曲を聴いてもらいたいのですが、まずは「モルダウ」を今一度じっくりと聴きましょう。
川の源流から始まり、合流して有名なメロディが流れ、村の結婚式の踊り、月夜の静けさ、激流、そしてモルダウのメロディがホ長調で頂点を迎えたあと聞こえるコラール主題。このコラール主題を覚えておいて、1曲目を聴いてみて下さい。冒頭で『えっ!』となるはずです。「モルダウ」のラストで、オーケストラの全合奏で演奏されるコラール主題が、1曲目では○○○だけで演奏されるのです。このコラール主題が1曲目の曲名から「ヴィシェフラド」の主題と呼ばれ、第1,2,6曲で共通して使われ、この「わが祖国」ではいくつかの曲に同じメロディーやリズムが使われているのです(ちなみに「モルダウ」の有名な旋律は「モルダウ」にしか使われていません)。
また2,3,4曲目には曲の途中で楽しくノリのいい踊りの曲(ポルカなど)が使われています。そして第5,6曲目には中世ヨーロッパのフス教徒の讃美歌のリズムが使われ(特に第5曲で執拗に聞こえます)、第6曲「ブラニーク」の後半、長調に転じた所から、この「わが祖国」全6曲としてのクライマックスが始まります。この勝利の行進曲(第5曲でも使われていたメロディ)は3度現れ、まず のどかな雰囲気で、次に力強く、そして3度目は熱狂的に演奏され、音楽が頂点に達したところで、急にテンポが落とされ、金管楽器がフス教徒のリズムを、それにかぶせるように弦楽器がヴィシェフラドの主題を演奏し、この2つが同時進行(!)していきます。そしてさらにそこに勝利の行進曲のメロディも加わり堂々としたラストを迎えます。
オススメの演奏ですが、作曲家と同郷のチェコ出身の指揮者やオーケストラにこだわらずに、どの演奏でもほぼ熱い音楽が楽しめると思います。
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