10年ほど前にSNSで知り合った或るプロのドラマーが語りました。
「スネアをこれまで1,000台くらい試したが、結局は見た目だね。」と。
当時私はギターで、このパーツを変えるとこんなに音が変わるんだとか、スペック(仕様)が、あのブランドが、あのビルダーのギターが、と、まぁとにかくそういった「見た目、ではない部分」に大いに拘っていましたので、そのドラマー氏が仰る言葉がにわかに信じがたいな、と感じていました。「楽器はサワってナンボでしょう?なのに見た目だけでどれほどのことがわかるのか。」と。当時は。
見た目ではなく、買ったまんまにしなかったことで支離滅裂だったのが一本ありました。
フェンダー・カスタムショップのストラトキャスターを中古で購入しました。もちろん長時間の試奏の末の購入でした。
まず、ペグをロック式に交換、ブリッジはチタンパーツ、イナーシャブロックはカラハム製、ボリュームポットはアレッサンドロ製、ジャックはミリタリ規格のスイッチクラフト。あとはCTSポットにCRLスイッチと交換では定番のものに。
いざ、出来上がりました。
ん?なにこの「氷の上にいるような妙な透明感は。」と。クリアになりすぎてしまって面白みのようなものが全然なくなってしまったのです。味気ない楽器になってしまいました。
...結局一体どんなサウンドを狙ったのか、私は弾かない楽器は持っていても仕方ないと思っていますので、
元は何を気に入って買ったのかわからないまま、手放すことに。
時が経って今の私は、ギター本体を含めて機材、アクセサリー小物類に至るまで「見た目」が最も肝心で、私にとっては大切な選定のポイントになっています。
インターネットの画像でも構わないので「見た目で」。
ただ、実際には何度も見て確かめる場合も多く、特に実物を見られない場合は一度だけ見てそれだけですぐに入手(ポチ)はしませんし、勿論予算も事情もその都度あります。よって「寝かす」ことも多々あります。「ほんとにホレたのか?」と。
そうやって幾つかの度重なる「ひとめぼれ」の末に入手した結果のアイテムは、まず昔のようにパーツを変えたりカスタマイズするようなことは、欠損部品や消耗品を別にして交換はやりません。今は買ったまんまにしています。
つまりは直感的に感じるものをそのままにしておいて品定めするわけです。そうすることによって最終的に手にしたギターや周辺機材は何といっても「見てるだけ」でも既に気に入っているので、つい手が伸びる、つまりよく使うことになります。
お客様にも機会があればなるべくその旨でご案内を続けています。
ご自身の「見た目」を大切にしていただければと。
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