バリオスについて(知られざる作曲家 その1)
スタッフTKのオススメクラシック 2018.8.15 Vol.12
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
アグスティン・バリオス=マンゴレという作曲家を知っていますか? 彼は1885年生まれ、そして1944年没の南米パラグアイのギタリスト、作曲家です。
亡くなった後しばらくの間は『大聖堂』など一部の作品だけが知られる、忘れられた作曲家だったのですが、ギタリストのジョン・ウィリアムズ(『スター・ウオーズ』や『E・T』、『ハリー・ポッター』等の映画音楽を作曲した人物とは同姓同名の別人です)が、1978年と1994年にアルバムをリリースし、特に後者のソニーから発売になった「バリオス:作品集」のCDで一般にも多くの曲が、そしてバリオス本人も知られる存在となりました。
私自身この「バリオス:作品集」を聴いて初めてその存在を知り、大学を出たばかりだったのですが、『卒論のテーマをバリオスにすればよかった~』と後悔するほど衝撃を受けた1枚のCDでした(ピアノ科の学生だったけど)。
そのCDには「大聖堂」(3つの部分からなり、続けて演奏されています)はもちろんのこと、ギターといえばトレモロ、ギター曲といえば「アルハンブラの思い出(タレガ)」のイメージが強かった私にとって「最後のトレモロ」、「森に夢見る」の2曲は新たなトレモロ作品のお気に入りとなりました。が、それ以上にこのバリオス作品集でのオススメはCDの最後に収録されている「クリスマスキャロル(クリスマスの歌)」です。以前『フランスの作曲家でピアノソナタ?』と書いていましたが、この曲は南米パラグアイのクリスマスです。この曲は私のイメージの逆をいく、とても静かな心洗われる音楽です。
最近は日本人演奏家も含めて多くのギタリストが録音していますので是非いろいろ聴いてみて下さい。
2018.8.15 Vol.12
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