細田守 監督について
スタッフTKのオススメ 2018.11.14 Vol.18
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
2018年公開された細田守監督の最新アニメーション映画『未来のミライ』。公開前、まだ情報が少なかった時期に出ていたあらすじを見て「えっ!!」となった私のような古参アニメファンは少なくなかったと思います。それは今から27年前(もう四半世紀前なのか…)、1992年にTV放映されていたあるアニメに設定が似ていたからです。そのアニメのタイトルは『ママは小学4年生』、あのガンダムシリーズを制作していたサンライズが初めて手掛けた女の子向けアニメでした。
ストーリーは、ある嵐の晩、15年後の未来からやってきた主人公の赤ちゃん(名前はミライちゃん)をまた未来に返すため小学生たちが奮闘するというものです。自分勝手な主人公側の家族(女の子とその母親、同居している叔母)には共感できなかったのですが、主人公の女の子が「もしかして未来の旦那様?」と思っていない方の男の子のストーリーに泣かされます。第46話「かあさんの唄」は必見です。最終回より泣けます…。
ここまでクラシックとはまるで関係ない話が続きましたが、一つだけ多いに関係あるのが、エンディングで流れる曲「この愛を未来へ」です。作詞:岩谷時子、編曲:樋口康雄(その後サンライズ作品の「ガンダムX」で音楽を担当します)で、モーツァルトのピアノソナタ ハ長調 K.545の第1楽章(一番有名な ♪ド~ミソ、シ~ドレドの曲)を使っているのです。しかも「ラバーズ・コンチェルト」や「キッスは目にして」「Jupiter」のような、単にクラシック音楽のメロディーに歌詞を付けアレンジしているのではなく、モーツァルトのピアノソナタそのものを伴奏にして、新たにメロディーを作って歌っているのです。歌手は当時、出産休業明けだった益田(岩崎)宏美さん、これはベストな人選だと思いました。今回のオススメはこの曲です。
さて、話をもどして細田守監督ですが、私の好きな作品は長編オリジナル作品を手掛ける前、「デジモンアドベンチャー」というTVアニメの劇場用として作られた作品です。
2作あるのですが、どちらも好きで「ぼくらのウォーゲーム」は後の「サマーウォーズ」の原型となった作品です(インターネット内の敵を倒して現実世界を救うという点、そして敵は倒したけど地上に○○○○が落ちる所や、最後はEnterキーなど)。その前に作られた劇場版第1作は20分程の短編で、ラヴェルのボレロを全編に渡ってBGMにして、まるで怪獣映画のようなストーリーが展開していくというものです。
今回は音楽物ではないアニメ作品とクラシックを結びつけた内容でしたが、いかがだったでしょうか。
2018.11.14 Vol.18
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE TOPページ