ベートーヴェン/ピアノソナタ全集について(妄想プログラム その2)
スタッフTKのオススメクラシック 2019.1.1 Vol.25
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
ピアニストにとっての『新約聖書』と言われる、ベートーヴェンのピアノソナタ全32曲。SP・LPの時代から多くのピアニストが全集として録音していて(残念ながらギレリスやグールドは、あと数曲を残して未完に終わっていますが…)、近年でも児玉麻里、小菅優の日本の女流ピアニストが全集をリリースしています。
さて、あなたならこの全32曲のピアノソナタをどういった順番で収録あるいは演奏しますか? CDに収録した全集は大半が第1番~第32番という、ほぼ番号順になっているものが多いですが、一部のピアニストはそれぞれのコンセプトに基づいた曲順で収録されています。そしてその独自の曲順で収録された全集として、アルド・チッコリーニ(輸入盤、10枚組)、横山幸雄(全12枚組、変奏曲や小品も含めた作品番号のあるピアノ作品すべてを収録)、イリーナ・メジューエワ(10枚組+特典ライブCD2枚)、などがあります。
ではここで私の収録のコンセプトですが、
1.1枚のCDには無理せず3曲のみ収録、2枚セット6曲にする。
2.初期・中期・後期から1曲ずつ選曲。
3.通し番号の一の位が同じものを揃えて0、9、8~1の順で収録。
です。この3番によって、第29番『ハンマークラヴィーア』のカップリング曲のCD収録時間の問題が見事に解消されます。では私の妄想によるベートーヴェン/ピアノソナタ全集の全貌をどうぞ。
第1集-1 第10番 ト長調 Op.14-2、第20番 ト長調 Op.49-2、第30番 ホ長調 Op.109
〃 -2 第9番 ホ長調 Op.14-1、第19番 ト短調 Op.49-1、第29番 変ロ長調『ハンマークラヴィーア』Op.106
第2集-1 第8番 ハ短調『悲愴』Op.13、第18番 変ホ長調 Op.31-3、第28番 イ長調 Op.101
〃 -2 第7番 ニ長調 Op.10-3、第17番 ニ短調『テンペスト』Op.31-2、第27番 ホ短調 Op.90(第2楽章は2種類のテンポのものを収録)
第3集-1 第6番 ヘ長調 Op.10-2、第16番 ト長調 Op.31-1、第26番 変ホ長調『告別』Op.81a
〃 -2 第5番 ハ短調 Op.10-1、第15番 ニ長調 Op.28、第25番 ト長調『かっこう』Op.79
第4集-1 第4番 変ホ長調 Op.7、第14番 嬰ハ短調『月光』Op.27-2、第24番 嬰ヘ長調『テレーゼ』Op.78
〃 -2 第3番 ハ長調 Op.2-3、第13番 変ホ長調 Op.27-1、第23番 ヘ短調『熱情』Op.57
第5集-1 第2番 イ長調 Op.2-2、第12番 変イ長調 Op.26、第22番 ヘ長調 Op.54
〃 -2 第11番 変ロ長調 Op.22、第21番 ハ長調『ワルトシュタイン』Op.53、第31番 変イ長調 Op.110(最後21番か31番でカッコよく締めます)
さて、ここまでそれぞれのCDに入った各3曲の調性が近くなっているのは単なる偶然でしょうか。古典派の時代ではあまり選ばれていない、嬰ハ短調と嬰ヘ長調も同じCDに入っています。そして最後に残った2曲が、
第6集 第1番 ヘ短調 Op.2-1、第32番 ハ短調 Op.111の最初と最後のソナタになります(なんとびっくり)。CD1枚にこの2曲だけでは時間が余るので、カップリングに晩年の作品、バガテル集Op.126を加えますが、曲順を 6つのバガテル第1番→ピアノソナタ第1番→6つのバガテル第2~5番→ピアノソナタ第32番→6つのバガテル第6番という順に並べます。
これが私の考えた、ベートーヴェン/ピアノソナタ全集の曲順(収録順)になります。
以上
2019.1.1 Vol.25
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