心が落ち着くクラシック
スタッフTKのおすすめクラシック 2020.3.19 Vol.37
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
新型コロナウイルスの感染予防対策で自粛ムードの昨今、心休まる日のない毎日を過ごされているかと思います。なので今回は少しでもリラックスできるクラシックの小品を、4曲紹介します。どれもいわゆるヒーリング・クラシックスや癒しのクラシックといったタイトルのCDなどにはあまり収録されていない、私のお気に入りです。
・モーツァルト/アダージョとロンド ハ短調 K.617
この曲はモーツァルトのかなり特異な編成の室内楽曲です。同じケッヘル番号K.617aのアダージョ ハ長調とは違う曲ですが、どちらもグラスハーモニカのために書かれた作品です(こちらもオススメ)。この曲のオリジナルの編成はグラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの五重奏曲。今日ではハープやピアノ、チェレスタで代用されますが、あまり演奏される機会の少ない作品です。曲は前半の重苦しいハ短調のアダージョと、後半のハ長調に変わるロンドの2つからなり、後半のロンドからがオススメの部分です。
・ロッシーニ/弦楽のためのソナタ 第1番
「ウィリアム・テル」や「セヴィリヤの理髪師」など、オペラ作品で有名なロッシーニ(1792-1868)が1804年、つまり12歳の時に作曲した6曲からなる作品の1つです。モーツァルトなど神童と呼ばれ、10代前半やそれ以前から作品を残している作曲家はほかにも多くいますが、他の作品と同様に今も演奏されている曲となると、ロッシーニのこの曲は注目すべきです。優雅な第1楽章、ちょっと変わった始まり方をする第3楽章がオススメです。管楽四重奏版でもよく演奏されています。
・まだら模様のお蛇さん
とっても奇妙な曲名ですが、この曲はメンデルスゾーン作曲の劇音楽「真夏の夜の夢」の中の1曲です。「真夏の夜の夢」といえばメンデルスゾーンが17歳の時に作曲した序曲や結婚行進曲などのオーケストラ曲が有名ですが、本来はソプラノ、メゾソプラノ(アルト)と合唱(女声合唱か児童合唱)、そしてナレーションが加わる編成の作品です。交響曲などとのカップリングではオーケストラのみの序曲やスケルツォなどが一緒に収録されていますが、劇音楽としての全曲盤や抜粋のCDには声楽も入って、この曲も収録されています。曲の途中、合唱が加わってくる部分から夢の世界へ誘ってくれます。
・ハイケンスのセレナーデ
4曲目は最近はあまり演奏されない曲で、この1曲だけで名前が知られている作曲家の作品です。この曲は太平洋戦争の戦時中、ラジオ番組「前線へ送る夕べ」のテーマ曲として使われたため、この頃の年代の方なら聞き覚えがあるかも知れません。また一部列車の車内音楽に使われていて、鉄道ファンには知られている曲のようです。
曲はとても落ち着いたテンポで、まさにお休み前に聴くのにピッタリな作品です。
いろいろと大変な時期、少しでも息抜きできるような曲を今回選んでみました。
2020.3.19 Vol.37
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE TOPページ