今回はバイオリンの弓のことについて少しお話をさせていただきます。
皆さん、弓って何でできているかご存知でしょうか?よくある回答は「お馬さんのしっぽ」ですね。はい、これは半分正解です。実際に弦に触れる白い部分は馬の尻尾の毛を束ねて使っています。
次によくある答えが「くじらのひげ」。これは1割くらい正解です。くじらのひげは弓の「ラッピング」といういわば装飾に使うことがあります。が、今はこの部分に銀線を巻いている弓がほとんどで、くじらひげを使用している弓のほうが少数です。
で、弓毛もラッピングもいわば「消耗品」で長年弓を使っていると交換する物なので、弓本体の材料ではないですよね。なので「弓って何でできているの?」の答えは「フェルナンブコ」が正解です。
ふぇるなんぶこ、変な名前ですね。その正体はググっていただければすぐに判明しますが、要するに「南米原産のブラジルボクというマメ科の木の芯の部分」の通称です。
このブラジルボクはもともとは赤い色を出すための染料として利用されていたのですが、昔の弓の職人さんが「この染料の木、弓に使ったらむっちゃ音ええやん」ということを発見してから、広く楽弓の材料として普及していきました。この写真の木ですね。なんというか、普通の街路樹って感じです。ただ、今は伐採しすぎてワシントン条約で保護の対象になっているそうで、最近はいろんなメーカーがカーボンなどの新素材の弓を作るようになってきています。
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