もし私が芳ヶ江国際ピアノコンクールに出場するなら…(妄想プログラム その3)
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
遂に映画が公開される、恩田陸の小説『蜜蜂と遠雷』。冒頭に架空のコンクールなのに、実際にありそうな課題曲の要項が載っています。今回はこれに基づいて私ならどんなプログラムにするか、を書いてみました(注:主人公4人と同程度の演奏技術を持っていると、仮定での話です)。
〈第一次予選〉*演奏時間は20分以内
・J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第24番 ロ短調 BWV.869
・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第24番 嬰へ短調「テレーゼ」Op.78より第1楽章
・ショパン/24の前奏曲より 第24番 ニ短調 Op.28-24
“24番”繋がりで選んでみました。バッハの平均律が演奏時間が長い代わりに、残りの2曲が短めで助かりましたが、バッハをゆっくり演奏しすぎると、いきなりタイムオーバーの危機です。要項には特に演奏順についての指定がなかったので、ショパン→ベートーヴェン→バッハの順で演奏したいです(ダメかな?)。
〈第二次予選〉*演奏時間は40分以内
・リスト/超絶技巧練習曲 第11番 夕べの調べ S.139-11
・スクリャービン/8つの練習曲 第5番 嬰ハ短調 Op.42-5
・菱沼忠明/春と修羅
・リスト/詩的で宗教的な調べ S.173より
第6曲 眠りから覚めた子供への賛歌
第9曲 アンダンテ・ラクリモーソ
第10曲 愛の賛歌
リストの4曲は、ゆったりしたテンポの曲で揃えてみました。「愛の賛歌」の後半はかなり盛り上がります。そしてスクリャービンのこのエチュードは、私の大好きなピアノ曲の一つです(ホロヴィッツの演奏がオススメです)。これもリストを遅めに演奏すると(特に第9曲)タイムオーバーするかも…。
〈第三次予選〉*演奏時間は60分以内
・ベートーヴェン/6つのバガテル Op.126
・ 〃 /ピアノソナタ第1番 Op.2-1 ヘ短調
・ 〃 /ピアノソナタ第32番 Op.111 ハ短調
・
オール・ベートーヴェン・プログラムで挑みます。曲順は以前のオススメ、ベートーヴェン/ピアノソナタで書いた、6つのバガテル第1番→ピアノソナタ第1番→6つのバガテル第2~5番→ピアノソナタ第32番→6つのバガテル第6番 という順番です。
〈本選〉*オーケストラとの協演
・シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
私は実際はオーケストラとの協演の経験はありません。アンサンブルも大学の授業で連弾曲を数曲弾いたくらいです。この本選のコンチェルトは、課題曲リスト27曲から主人公4人の選んでない曲で、目に留まったシューマンです(次点はサン=サーンス/ピアノ協奏曲 第5番)。ちなみにリストに載っていない協奏曲で弾いてみたいのは、サン=サーンス/ピアノ協奏曲 第3番、モーツァルト/ピアノ協奏曲 第26、27番です。
見直すと全体的にドイツ物が多く、フランス物が1曲もない偏った構成となってしまいました。また、今回のプログラムで私の手に負えない曲は、ショパン、スクリャービン、そしてシューマンなので、実際のコンクールを色々調べれば(年齢制限をクリアできたら)、参加できるものが見つかるかも知れませんね。
2019.9.27(Vol.33)
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE TOPページ