2021年 メモリアルイヤーの作曲家
スタッフTKのおすすめクラシック 2020.12.1 Vol.42
草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE
2020年は生誕250年のベートーヴェン1強で終始したクラシック界(演奏会は ほとんど中止でしたが…)。来たる2021年は実に多くの作曲家がメモリアルイヤーを迎え、その中でもこの4人を中心とした1年になると思われます。
・ カミーユ・サン=サーンス(1835~1921)没後100年
・ イゴール・ストラヴィンスキー(1882~1971)没後50年
・ アストル・ピアソラ(1921~1992)生誕100年
そして吹奏楽のジャンルで忘れてならない人物
・ アルフレッド・リード(1921~2005)生誕100年です。
この4人は録音も演奏も数多くありますが、国内で流通している楽譜が少ない、という共通点があります。
サン=サーンスは交響曲第3番「オルガン付き」、ヴァイオリン協奏曲第3番、動物の謝肉祭が国内からスコアが出ていますが、その他の管弦楽曲や5曲あるピアノ協奏曲などは国内版はなく、ピアノ曲は全音と春秋社から数冊しか出てません。(2021年、カワイ出版よりピアノ曲集が出版されました)
ストラヴィンスキーは春の祭典、火の鳥、ペトルーシュカ、プルチネルラ 他、どの輸入スコアも値段が高く、国内版では出ていません。ピアノ曲は小品が全音から出てます。
ピアソラはクレーメルやヨー・ヨー・マらが取り上げてからクラシックの作曲家の扱いになってきましたが、国内から出版されている楽譜はまだ少ないです。
そしてアルフレッド・リード。アルメニアン・ダンス、春の猟犬、エル・カミーノ・レアル、エルサレム讃歌、オセロ。現在はコンクールで演奏されることは少なくなりましたが、1980~90年代は絶大な人気を誇っていた作曲家でした。ちなみに私の個人的に好きな曲は第三組曲「バレエの情景」と法華経からの三つの啓示より第3楽章です。国内の出版社から小編成用の楽譜が出ましたが、オリジナルはアメリカの出版社です。フルスコアのみの入手は可能ですが、主要作品だけでもかまわないので、ポケットスコアを出してほしいです(今回、久しぶりに野庭高校のコンクールでのA.リード作品をすべて聴き直しました。やっぱり泣けます…)。
その他に2021年にメモリアルイヤーを迎える作曲家で有名な人物は、
・ トマゾ・アルビノーニ(1671~1751)生誕350年
有名な「アルビノーニのアダージョ」は編曲者とされていたジャゾットのオリジナル曲です。今日ではオーボエ協奏曲を含むいくつかの協奏曲だけが演奏されています。
・ フランツ・ドップラー(1821~1883)生誕200年
「ハンガリー田園狂詩曲」他のフルート作品のみで有名な作曲家です。
・ エンゲルベルト・フンパーディンク(1854~1921)没後100年
今日では歌劇「ヘンゼルとグレーテル」だけが上演されています。
・ マルコム・アーノルド(1921~2006)生誕100年
吹奏楽版でよく演奏される「ピータールー序曲」、映画「戦場にかける橋」の音楽などが日本では知られています。
このように、名前は知られてますが、一部の曲だけが演奏されている作曲家が多い印象です。
また、演奏家や指揮者では、
・ ウィレム・メンゲルベルク(1871~1951)
オランダ生まれの指揮者が生誕150年です。音源はSP盤の復刻やモノラル録音しかありませんが、一度は聴いてほしい指揮者です。
・ アルテュール・グリュミオー(1921~1986)ヴァイオリニスト
・ デニス・ブレイン(1921~1957)ホルン奏者
が共に生誕100年を迎えます。
・ ヴィルヘルム・ケンプ(1895~1991)
・ クラウディオ・アラウ(1903~1991)
2人の名ピアニストが共に没後30年。そして
・ ジュゼッペ・シノーポリ(1946~2001)
オペラを指揮中、突然倒れ、そのまま亡くなったという悲劇の指揮者が没後20年です
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