こちらを編集 最初におわびですが、2022年のこのコラムを書かなかったのは、フランクとディアギレフ以外私の中でめぼしい人物がいなかったからです。また生誕125年とか没後90年にすると収拾がつかなくなるので、基本50年刻みで調べています。
さて、2023年にメモリアルイヤーを迎える音楽家ですが、生誕100年(1923年生まれ)の人物が非常に多くいますので、後半でまとめて紹介します。
・エドゥアール・ラロ(1823~1892)生誕200年
「スペイン交響曲」というタイトルのヴァイオリン協奏曲(ややこしい…)で有名な作曲家。アニバーサリーイヤーを機に他の作品も録音や演奏されるのでしょうか。
生誕150年では主に次の4人
・エンリコ・カルーソー(1873~1921)
・フョードル・シャリアピン(1873~1938)
SP録音期に活躍した名歌手がともに1873年生まれ。
・マックス・レーガー(1873~1916)
40代前半で亡くなったのに、作品番号が140を超える(作品番号のない小品も数多く存在します。)多作のドイツの作曲家。
・セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)
2023年の本命の一人。ベートーヴェンやショパンのように「やさしく弾けるラフマニノフ」みたいな曲集をぜひ出版してほしいです。
没年でのメモリアルイヤーでは、
・ウィリアム・バード(1543~1623)没後400年
イギリス・ルネサンス期の作曲家。J.S.バッハが生まれる100年も前に活躍していました。当時の楽譜を五線譜に置き換えて、現代でも演奏・録音されています。孤高のピアニスト、グレン・グールドもレコーディングしています。
没後50年は名指揮者がなんと5人も。
・オットー・クレンペラー(1885~1973)
・ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900~1973)
・カレル・アンチェル(1908~1973)
・イシュトヴァン・ケルテス(1929~1973)
・近衛秀麿(1898~1973)
ケルテスは将来を希望されながら、わずか43歳で亡くなりました(事故死)。近衛秀麿は戦前にベルリンフィルやNBC交響楽団を指揮し、また「君が代」や「越天楽」のオーケストラ編曲を手掛けました。(現在、NHKの放送終了時に流れている演奏です)
ソリスト他では、
・ヨゼフ・シゲティ(1892~1973)ヴァイオリニスト。同郷のハンガリーの作曲家、バルトークから「コントラスツ」「ラプソディ第1番」を献呈され、初演しています。
・パブロ・カザルス(1876~1973)チェリスト、指揮者。J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」の再発見や、「鳥の歌」の演奏による音楽での平和活動を行った人物です。
・サトウハチロー(1903~1973)「うれしいひなまつり」「かわいいかくれんぼ」「ちいさい秋みつけた」「リンゴの唄」「長崎の鐘」などの童謡・抒情歌・歌謡曲等、多くの曲を作詞した人物も没後50年を迎えます。
生誕100年(1923年生まれ、没年の早い順から紹介します)
・ウェス・モンゴメリー( ~1968、ジャズ・ギタリスト)
・マリア・カラス( ~1977、ソプラノ歌手)この人物も本命の一人です。
・ベルト・ケンプフェルト( ~1980、指揮者 作・編曲家)ナット・キング・コールの「L-O-V-E」を作曲。
・レッド・ガーランド( ~1984、ジャズ・ピアニスト)
・デクスター・ゴードン( ~1990、ジャズ・サキソフォン奏者)
・ダニール・シャフラン( ~1997、チェロ奏者)今回調べて気になった奏者です。
・ミルト・ジャクソン( ~1999、ジャズ・ヴィヴラフォン奏者)モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のメンバー。
・中田喜直( ~2000、作曲家)
・三波春夫( ~2001、演歌歌手)
・ジョン・ランチベリー( ~2003、指揮者・編曲家)
・ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス( ~2005、ソプラノ歌手)
・リゲティ・ジェルジュ( ~2006、作曲家)
・アリシア・デ・ラローチャ( ~2009、ピアニスト)
・ウォルフガング・サヴァリッシュ( ~2013、指揮者)
・岩井直溥( ~2014、作・編曲家 指揮者)「ニューサウンズ・イン・ブラス」シリーズのアレンジや指揮を担当した『吹奏楽ポップスの父』。
・スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ( ~2017、指揮者)
以上の総勢16人。ジャズのアーチストが4人と目立ちますね。ラローチャとロス・アンヘレスのスペインの至宝2人が同い年だったとは今回はじめて知りました。
日本の作曲家 中田喜直は上記のサトウハチロー作詞の「かわいいかくれんぼ」「ちいさい秋みつけた」の作曲を手がけ(このコンビで100曲以上の作品が生まれました)、他に「めだかの学校」「夏の思い出」「雪の降る街を」「霧と話した」(私の大好きな曲です)、そして「君よ八月に熱くなれ」(2023年の夏、高校野球中継で、またこの曲を聴きたいです)などを作曲しました。
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