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草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

  • 滋賀県
  • 〒525-0025 滋賀県草津市西渋川1-23-23 A-SQUARE SARA南館 2F
  • 077-561-6570
  •  10:00~21:00

お知らせ一覧

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ブラームスの交響曲について

スタッフTKのオススメクラシック 2018.12.28 Vol.23

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 ドイツ・ロマン派の作曲家 ヨハネス・ブラームス(1833-1897)は交響曲を全部で4曲作曲しています。どれもが名曲ですが、演奏回数や人気では 1番→4番→2番→→3番の順番でしょうか(2番と4番が逆もあり)。どちらにしても3番は他の3曲よりも演奏回数や人気順では低いようです。私の所持している『作曲家別クラシックCD&LD/DVD総目録』の1994年度版ではブラームスの交響曲全集は22種ですが、1曲ずつでのリリースでは、第1番 ハ短調Op.68が59種、第2番 ニ長調Op.73が46種、第3番 ヘ長調Op.90が40種、第4番 ホ短調Op.98が51種となっており、やはり第3番だけがちょっと人気が劣るようです。
 実際 私もブラームスの交響曲はシャルル・ミュンシュ指揮の第1番、カルロス・クライバー指揮の第4番、この2曲は昔からよく聴いていて、2番と3番を聴いたのはだいぶ後になってからでした。残り2曲のうちまず第2番を聴いて、第4楽章のあまりのお祭り騒ぎぶりに「なにこれ~」となって、お堅い重厚なイメージのブラームスは、どこかに飛んでいってしまいました。そしてその後も第3番だけがちゃんと聴く機会がなくて(もちろん第3楽章が映画『さよならをもう一度』に使われていて、メロディーだけは知っていましたが)、第2番を聴いてからかなりたったある日、父の所蔵しているCDラックに交響曲第3番があるのを見つけ、初めて聴いてみました。

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モーツァルトの変奏曲が…

スタッフTKのオススメクラシック 2018.12.12 Vol.22

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 今回はモーツァルトの有名なピアノ作品を元にして作られたオーケストラ曲を2つ紹介します(どちらも変奏曲のテーマ(主題)を使った作品です)。
 
   ・レーガー/モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132
 ドイツの作曲家 マックス・レーガー(1873-1916)は、この曲の作品番号からわかるように43歳という生涯のうちに多くの作品を残した作曲家ですが、今も演奏されている曲はわずかです。この変奏曲は割りと演奏されている方ですが、モーツァルトの音楽を原曲に使っているという理由が大きいと思います。その原曲とはピアノソナタ イ長調 K.331、有名なトルコ行進曲を第3楽章にもつソナタの第1楽章の愛らしい変奏曲のテーマが原曲です。
 レーガーの作品は主題、8つの変奏、フーガという構成で、主題はほぼ原曲通りですが、くり返し部分を楽器の組み合わせを変えて演奏しています。その後第1変奏の出だしこそ原曲の雰囲気を残していますが、すぐに反進行の音型(原曲が♪ミ~ファミ、ソ~ソ だったら、レーガーは♪ミ~レミ、ド~ド という風に)を使っています。そして変奏が進むにつれ、聴いただけでは原曲と結びつかないような、レーガー独特の世界が展開します(最後の第8変奏がものすごいです)。そして最終変奏が終わったあと待ち受けている長大なフーガ。

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資料について

スタッフTKのオススメクラシック 2018.11.28 Vol.21

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 ここまで20タイトル近く(まだホームページにアップしていないのも含めて)コラムを書いてきましたが、今回は文章作成に使用している資料について説明していきます。
 まず楽譜ですが、これは私が昔からコツコツ買い集めているものを使用しています。原典版については私は一つに限定せず、複数の出版社のものを比べるというスタイルです。
 音源については実家にあるCDやLP(プレイヤーが壊れたので最近は使ってないです)でチェックしています。コラムで取り上げた珍しい作品についても音源があるので、それらを基にして紹介しています(リスト/祝典カンタータの楽譜だけが入手できていません)。
 そして紙媒体の資料ですが、これは現在発売されていないものを2つ使用しています。一つは音楽之友社が2000年頃まで毎年刊行していた『作曲家別 クラシックCD&LD/DVD総目録』で、作曲家のアルファベット順に編成の大きい作品(「レコード芸術」誌でのジャンル順)から指揮者、演奏団体、ソリスト、録音年(ステレオかモノラルか、デジタルかアナログか)、カップリング曲、CD番号 等が記載されている便利な資料です(私は1991年度版と1994年度版を所有しています)。

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私の嫌いな曲・・・

スタッフTKのオススメクラシック 2018.11.24 Vol.20

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 今まで私の好きなオススメしたい知られざる曲などを、いろいろ紹介してきましたが、実は1曲どうしても 我慢できない部分がある超有名曲があります。それはシューマン作曲の謝肉祭 Op.9のラストです。この「謝肉祭」は20曲からなる様々な雰囲気の曲が集まった作品で、終曲の「フィリシテ人と闘うダヴィッド同盟の行進」は3拍子なのに行進曲としか聞こえない、この曲でしか味わえないものがあります。が、そのラスト ほどんどの楽譜で最後の1ページ分にあたるPiú strettoの直前からが、どの演奏も楽譜通りに弾いていない、というより楽譜が出版社によってまちまちなのです。
 私が大学時代、楽曲分析の一環でこの曲のエディション研究を行ったのですが、当時(今から30年程前)国内外の10数種の楽譜を集めたところ、このラスト1ページ 同じものは一つとしてなかったのです。
 Piú strettoは225小節から始まっているのですが、その直前、楽譜にはリタルダンドなどは、どこにも書かれていないのに、多くのピアニストはテンポを落としています。
 そして出版社によって解釈が違うのが231小節目と239小節目で、ここだけ3拍子のところに4分音符4つ入れている部分を、4連符として扱っているか、そうでないか、あるいはここだけ4分の4拍子にしているかと、いくつかのパターンがあります。

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あまりにも不遇な独奏楽器 ベルリオーズ/イタリアのハロルド

スタッフTKのオススメクラシック 2018.11.17 Vol.19

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)は、交響曲を全部で4曲作曲しています。すべてにタイトルがついているので、第〇番という呼び方はしていないのですが、有名な「幻想交響曲」はその中で一番最初に作曲された交響曲です。
 今回紹介する「イタリアのハロルド」は「幻想交響曲」の4年後、2作目の交響曲として作曲されました。この曲の正式なタイトルは「ヴィオラ独奏付き交響曲『イタリアのハロルド』」というもので、オーケストラの楽器の中でも目立たない、独奏楽器として当時からもあまり使われていないヴィオラ(ベルリオーズ以前ではバッハ/ブランデンブルグ協奏曲第6番かモーツァルト/協奏交響曲ぐらいです)をメインに作曲されました。
 なぜベルリオーズがこの楽器をソロとして使ったか、今日では信憑性が低い説(ベルリオーズ本人による回顧録での記述のため)ですが、幻想交響曲を聴いて感動したパガニーニがベルリオーズの元を訪れ、「高価なヴィオラを手に入れたので、この楽器のための協奏曲を作ってほしい」と依頼してきたというものです。
 実はベルリオーズは独奏楽器と管弦楽による協奏的作品は「夢とカプリッチョ」というヴァイオリンと管弦楽による演奏時間10分程の小品1曲しかありません。ヴィオラ協奏曲として作曲を進めていたベルリオーズですが、圧倒的なオーケストラの響きにかき消されるヴィオラの扱いに困り、パガニーニへの依頼を断念してヴィオラ協奏曲ではなく、ヴィオラ独奏を伴った交響曲「イタリアのハロルド」として完成させます。

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細田守 監督について

スタッフTKのオススメ 2018.11.14 Vol.18

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 2018年公開された細田守監督の最新アニメーション映画『未来のミライ』。公開前、まだ情報が少なかった時期に出ていたあらすじを見て「えっ!!」となった私のような古参アニメファンは少なくなかったと思います。それは今から27年前(もう四半世紀前なのか…)、1992年にTV放映されていたあるアニメに設定が似ていたからです。そのアニメのタイトルは『ママは小学4年生』、あのガンダムシリーズを制作していたサンライズが初めて手掛けた女の子向けアニメでした。
 ストーリーは、ある嵐の晩、15年後の未来からやってきた主人公の赤ちゃん(名前はミライちゃん)をまた未来に返すため小学生たちが奮闘するというものです。自分勝手な主人公側の家族(女の子とその母親、同居している叔母)には共感できなかったのですが、主人公の女の子が「もしかして未来の旦那様?」と思っていない方の男の子のストーリーに泣かされます。第46話「かあさんの唄」は必見です。最終回より泣けます…。
 ここまでクラシックとはまるで関係ない話が続きましたが、一つだけ多いに関係あるのが、エンディングで流れる曲「この愛を未来へ」です。作詞:岩谷時子、編曲:樋口康雄(その後サンライズ作品の「ガンダムX」で音楽を担当します)で、モーツァルトのピアノソナタ ハ長調 K.545の第1楽章(一番有名な ♪ド~ミソ、シ~ドレドの曲)を使っているのです。しかも「ラバーズ・コンチェルト」や「キッスは目にして」「Jupiter」のような、単にクラシック音楽のメロディーに歌詞を付けアレンジしているのではなく、モーツァルトのピアノソナタそのものを伴奏にして、新たにメロディーを作って歌っているのです。歌手は当時、出産休業明けだった益田(岩崎)宏美さん、これはベストな人選だと思いました。今回のオススメはこの曲です。

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ベートーヴェンとティンパニ

スタッフTKのオススメクラシック 2018.11.13 Vol.17

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 私は最近はあまり演奏会などに行っていないのですが、クラシックのコンサートやTV中継では、オーケストラのある楽器を特に注意して視ることがあります。それはティンパニです。オーケストラの一番後ろで一人立っての演奏(この記事を書くため色々な演奏を見ましたが、座ってる方が多かったです…)、そして動きと音が一致するかなめの楽器です。ベートーヴェンは古典派からロマン派へ繋がる中で、管弦楽器の新たな可能性を見い出し、それは打楽器のティンパニに対しても同じことが言えます。今回はそのベートーヴェンの作品からティンパニの ここを聴いて!!という部分をいくつか紹介します。

 ・交響曲第3番 変ホ長調「英雄」第1楽章 520小節目
 いきなりピンポイントです。第1楽章の後半、提示部(前半)にはなかった16分音符による連打があります。私はここを派手に叩いてくれる演奏が好きです。また第1楽章の終わり近くでトランペットと一緒に3連符でリズムを刻むところも好きです。

 ・交響曲第4番 変ロ長調 第2楽章
 ラスト直前(102小節目)、この楽章の特徴的な符点リズムをティンパニだけで(オーケストラの他の楽器はすべて休み)、刻む部分があります(耳を澄ませて聴いて下さい)。

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ウェーバー/8つの小品(連弾曲)Op.60

スタッフTKのオススメクラシック 2018.11.6 Vol.16

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

  • ウェーバー/8つの小品(連弾曲)Op.60(その1)
 作曲家としての知名度はあるのに、代表作以外はあまり演奏される機会が少ない作曲家の一人、カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)。代表曲はベルリオーズの管弦楽編曲版でも有名な「舞踏への勧誘」(原曲はピアノ独奏曲です)、オペラ「魔弾の射手」で使われている「狩人の合唱」など誰でも知っている曲がある一方、ピアノソナタは4曲あるのですが全曲通して演奏されることは稀です。
 さて、今回紹介する連弾曲ですが、ウェーバーは連弾用の作品集を3つ残しています。初期の頃に作られた 6つの小品Op.3とOp.10a、そして1819年に作曲されたこの8つの小品です。最初の2つの作品集は易し目に作曲されているのですが、8つの小品はどの曲も2人のアンサンブルや演奏技術がしっかりしたものとなっています。この連弾曲も演奏される機会があまりないのですが、この中の2曲がヒンデミットの管弦楽曲「ウェーバーの主題による交響的変容」の第1、4楽章に使われているので、そちらの曲を聴かれた方は、おられるかも知れません。それでは曲紹介を。

 第1曲:モデラート

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イベール/喜遊曲(ディヴェルティスマン)

スタッフTKのオススメクラシック 2018.10.16 Vol.15

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 ジャック・イベール(1890‐1962)はフランスの作曲家。代表作は「寄港地」というオーケストラ曲で、作品の数は多くないですが、どれもがオシャレで親しみやすいものばかりです。この喜遊曲は室内オーケストラ用の作品で、
Ⅰ.序曲、  Ⅱ.行列、  Ⅲ.夜想曲、
Ⅳ.ワルツ、 Ⅴ.パレード、Ⅵ.終曲 の全6曲からなり、全曲を通して演奏しても、15~16分ほどのコンパクトな曲集です。
 室内オーケストラ用ということで演奏する人数は最少で16人。木管がフルート、クラリネット、ファゴットそれぞれ1人づつ、金管がホルン、トランペット、トロンボーンそれぞれ1人づつ、弦楽器が合わせて8人(弦は実際は倍以上で演奏されています)、それにピアノ(チェレスタ)1人、打楽器奏者が1人という編成です(ピアノは第3、6曲にソロのカデンツがありますが、メロディーを奏でる所はほとんどありません。また、打楽器はティンパニを含めて10種類使われますが、1人で演奏できるように書かれています(終曲がちょっと大変です…))。
 それぞれの曲はまず、変拍子が気にならないくらい快活であっという間に終わる「序曲」、6曲の中では一番規模が大きく(それでも5分ほど)、中間部で突然メンデルスゾーンの結婚行進曲が流れ、その後の金管のミュートが笑いを誘う「行列」、「夜想曲」はたった26小節しかなく、神秘的で闇夜の静けさを思わせます。終盤にピアノのカデンツ、クラリネットのソロ、そして最後はタンバリンで曲を閉めます。タンバリンがこんなに妖しく聴こえる曲は他にはないでしょう。

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マーラー/大地の歌

スタッフTKのオススメクラシック 2018.10.13 Vol.14

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

  • マーラー/大地の歌(その1)
今回紹介するのは、「大地の歌」ではありません...実は私はマーラーの交響曲は歌(合唱)付きのもの(第2,3,4,8番)は、ちゃんと聴いたことがなく(声のない楽章や、第1番、第5番は大好きで、特に『巨人』は全楽章頭の中に入っているのですが…)、この「大地の歌」も昔CMで流れていたのを聴いたくらいです。
 ではなぜ今回この曲を取り上げたかというと、『天にひびき』という漫画にこの曲が使われているからです。この漫画の作者である やまむらはじめ は、私の大ファンの漫画家で、主に伝奇物やSF物の長編作を多く手掛ける一方、読み切りや短編では、等身大の若者たちを描いた作品があり、この『天にひびき』は、音大生たちの青春群像劇をリアルに描いた長編作品なのです。
 ヤングキングOURS(少年画報社)にて2009年から2014年まで連載されていて、単行本は全10巻。作中には様々なクラシック作品が登場しますが(最初に使われる曲はベートーヴェンの交響曲第4番(!?))、その最終巻で1冊まるごと使って取り上げられるのが、マーラーの「大地の歌」なのです。
 この漫画の主人公は二人いて(指揮者とヴァイオリニスト)、そのうちの一人がこの曲をやりたいと言い出し、コンサート全体の企画、メンバー集め、音合わせ、(ソリストの)練習、リハーサル、そして本番。本番のコンサートの様子は、私のようにこの曲を聴いたことがなくても、まるで今聴いているかのような雰囲気になる内容なのです。

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